ビタミンD

ビタミンDが骨の健康に欠かせない理由は、以下のような重要な働きによるものです。

  • ビタミンDによってカルシウムの体内吸収が促進
  • ビタミンDは骨の再形成とミネラル化を促進
  • ビタミンDを補給する事で筋力維持につながり、転倒リスクを軽減

 

正しいビタミンDの摂取法

ビタミンDは紫外線、特にUV-Bを浴びることで皮膚で合成されます。私たちが摂取するビタミンDのうち70~80%日光浴による合成により補われ、残りは食事からの摂取によるものです。

ビタミンD合成のための正しい日光浴の行い方

十分なビタミンD量を補給するために、一般的に日照時間のピーク時 (午前10時から午後2時の間) を避け、日焼け止めを塗らずに10~20分間程度日光を浴びることが目安とされています。

10~20分間
の安全な日光浴

午前10時前
または 午後2時以降に行う

日焼け止めを塗らずに行う
ただし 過度な日焼けは避ける

ビタミンDを多く含む食材

実際、ビタミンDを豊富に含む天然の食材は限られています。 . 加工されていない天然の食材としては脂質を多く含む魚 (サーモン、いわし、さば等) や卵、マッシュルームやレバーが挙げられます。一部の国ではビタミンD強化タイプのマーガリンや朝食用シリアル、オレンジジュース等も市販されています。

ビタミンDの必要摂取量

  • 残念ながら日光浴によるビタミンD補給は環境の変化による影響を受けてしまいます。冬場や緯度の高い地域に住んでいる場合、日焼け対策を行っている場合、大気汚染、より濃い色の肌の方や高齢者では日光浴によるビタミンD産生が十分に行われない場合があります。

  • ビタミンD摂取量は環境や条件によって異なります。多くの国では日光浴によるビタミンD合成量に加え、食事からのビタミンD推奨摂取量として子供や若い年代の方で200 IU/ 日 (5 μg/ 日)、高齢者では400 - 600 IU/ 日 (10 - 15 μg/ 日) とされています。

  • 高齢者では血中のビタミンD濃度が低下しやすい傾向にあります。これは外出の機会が減少する事で日光浴によるビタミンD産生が少なくなることが理由とされています。さらに高齢者では、定期的に日光浴を行っていても若い時に比べて体内ビタミンD合成量が減少しがちです。

IOFは、骨の健康を維持し、骨粗しょう症や骨折のリスクを減らすために、60歳以上の高齢者には1日800~1000 IU(国際単位)のビタミンDの摂取を推奨しています。

骨粗鬆症の診断を受けている場合は、治療薬の効果を最大限に発揮できるようにサプリメント等を使ってカルシウムとビタミンDを十分に補う事が大切です。
ただしビタミンDのサプリメント は過剰摂取を行わないように注意しましょう。 (ビタミンDサプリメントの使用について)