骨粗鬆症患者として知っておきたいこと
薬物治療を行うかどうかに関わらず、ここで紹介する対策と生活習慣の改善策は、骨粗鬆症の枠を超えて、健やかな日々を送るための力強い支えとなります。
本ウェブサイトが提案する目標には次のようなものがあります。
- 筋力の強化
- 骨の強化と健康促進
- 正しい姿勢を維持し、猫背を予防する
- 転倒を予防する

BUILD BETTER BONES は主に3つのエリアに重点を置いて情報を提供しています。
このウェブサイトは、骨粗鬆症のセルフケアに取り組むすべての段階を支援することを目的として作られています。 医療提供者が推奨するように、骨粗鬆症治療薬は第一選択の治療法であり、骨折の予防や骨の強化に高い効果があるとされています。 しかし、薬物療法はあくまでケアの一部です。骨の健康をさらに高めるためには、骨に良い栄養をしっかりと摂取し、骨に適度な負荷をかける運動も行うことも大切です。 骨の健康改善に有効な運動については、運動・エクササイズのページをご覧ください。 (運動・エクササイズのページへ)
BUILD BETTER BONESでは、骨を強くするためのアドバイスに加えて、転倒予防に役立つ情報も幅広く提供しています。 具体的には:
- ・自宅での転倒リスクを減らす工夫(段差の解消、滑り止めの設置など
- ・バランス能力を高めるための運動や習慣
- ・その他の転倒リスクを軽減するための具体的なガイドライン
* このウェブサイトは、医学的助言を提供するものではなく、専門資格を有する医療従事者による助言や診療の代替とはなりません。 当サイトで提供する情報は、医療従事者によって行われる治療や助言の提供を補完することを目的としています。

骨粗鬆症患者にとって有効な運動・エクササイズ
運動は、あらゆる年齢層において骨の健康を維持・向上させるために欠かせない要素です。 目的を持って運動に取り組むことで、バランス能力や筋力が向上し、より強く丈夫な骨を育むことができます。 バランス訓練、機能訓練、筋力強化運動、そして骨に適度な負荷をかける運動を継続することで、身体の可動性を保ち、転倒の予防につながります。 これらの取り組みは、最終的に自立した生活を維持するうえで大きな助けとなります。
運動・エクササイズをはじめてみる骨粗鬆症と診断された場合、それは骨が弱くなり、骨量が減少している状態であることを意味します。 骨密度の低下が軽度であっても重度であっても、この診断は衝撃的であり、人によっては悲しみや混乱を感じるかもしれません。 ショック、恐怖、落胆、後悔など、さまざまな感情が湧き上がり、次のような疑問が頭をよぎることもあるでしょう。
運動が足りなかったのだろうか? 今までの食生活に問題があったのだろうか? なぜ、骨粗鬆症予防の重要性、そしてその絶対的な必要性にもっと早く気づけなかったのだろう。
より良い骨の健康を目指す方々のために、実践的で効果的な運動と栄養のガイドラインを紹介します。ぜひ参考にして、普段の生活に取り入れてみましょう。
前向きな心
骨粗鬆症と初めて診断されたとき、恐怖を感じるのはごく自然なことです。 突然、年齢を強く意識したり、自立した生活ができなくなるのではという不安に襲われることもあるでしょう。
けれども、助けを求めることは決して悪いことではありません。 骨粗鬆症を適切に管理するための知識と手段を身につけることで、あなた自身の身体と人生を前向きに取り戻すことができます。
中にはこれまで定期的に薬を服用する必要がなかった方や、慢性疾患の負担を経験したことがない方もいることでしょう。そのような方にとって、薬の副作用の可能性は不安に感じられるかもしれません。
しかし、薬物療法は注意深く管理することで、骨の健康を改善するための有効な第一歩となり得ます。とはいえ、それが唯一の選択肢というわけではありません。
このウェブサイトでは、日々の生活習慣を少し見直すことで、患者自身の医療に対する主体性を育み、より前向きに骨粗鬆症と向き合えるようサポートすることを目的としています。
主体性
ここで紹介されている運動・エクササイズがすぐに効果を発揮していないように感じることがあるかもしれません。 骨の健康状態に目に見える変化が現れるまでには、時間がかかると感じることもあるでしょう。
しかし、骨は静かに、そして着実に応えてくれます。日々の積み重ねが、将来の骨折予防や自立した生活につながる大切な一歩です。
しかし、これらの運動には骨の健康改善を超える、さまざまな有益な効果があります。 筋力の強化やバランス能力の向上に役立ち、これらはDXA検査で骨密度の変化が現れる前から実感できる具体的な成果です。
自分の身体に対する自信と、動作における力強さを感じられるようになることは、転倒予防において最も効果的な対策のひとつです。 そしてそれは、骨折の予防にもつながる大切なステップとなります。
筋肉と骨は密接に連動しているため、筋力が向上すれば、骨の健康状態も徐々に改善されていきます。 骨粗鬆症との向き合い方において、医療的な介入は重要な要素ですが、それだけでは十分ではありません。 残りの半分は、患者自身の日頃の取り組みにかかっています。
転倒を防ぐためには、自らの筋力を高め、バランス能力を改善することが何よりも大切です。 それが、骨折予防にもつながる最善の方法なのです。
自信を持ち続ける
骨粗鬆症と診断されたとしても自分を否定しないようにしましょう。 骨量の減少には、さまざまな要因が関わっています。たとえば、骨量のピークが遺伝的に低い家族歴や、更年期などの生理的な変化もその一因です。 これらは、私たち自身の力では完全にコントロールできるものではありません。 骨粗鬆症の診断は、必ずしもこれまでの生活習慣の選択の結果とは限りません。 発症を防ぐことが難しかったとしても、これからどのように管理していくかは、あなた自身の選択によって決めることができます。
骨粗鬆症の診断
骨粗鬆症の診断と治療は、さまざまな専門医によって行うことができます。 まずは、かかりつけ医を受診することが第一歩です。医師はリスク評価を行い、必要に応じて内分泌科やリウマチ科などの専門医を紹介する場合があります。 診察では、骨粗鬆症の危険因子があるかどうかを判断するために、病歴や生活習慣についての質問が行われます。事前に医療記録を整理して持参すると、診療がスムーズに進みます。 医師は血液検査や尿検査を指示することがあり、骨密度(BMD)検査を提案される場合もあります。BMD検査は、骨の強度を測定する迅速かつ痛みのない検査です。骨密度を測定する最も正確な方法は、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA法)であり、骨密度の変化を高い精度で検出できます。これにより、治療の効果や長期的な経過を把握するための重要な指標が得られます。
骨粗鬆症の治療
骨粗鬆症の予防と治療には、さまざまな薬剤が使用されています。 これらの薬剤は、骨量の減少を効果的に抑え、骨折リスクを低減することが科学的に実証されています。 担当医師は、それぞれの薬剤の利点とリスクについて丁寧に説明し、最も適した治療法を一緒に検討してくれるはずです。 介護者による付き添いを受けている場合は、介護者が薬剤の選択肢について説明を補足してくれることもあるでしょう。 骨粗鬆症治療に使用される薬剤は、主に次の2つのタイプに分類されます。
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骨吸収抑制薬 :骨の分解 (骨吸収) を抑えることで骨量の減少を防ぎます。
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骨形成促進薬 :新しい骨の形成を促進し、骨密度を高めます。
薬物療法に加えて、さまざまな非薬物療法も存在し、骨粗鬆症の効果的な管理に役立つことが示されています。 詳しくは、以下の項目を参照してみましょう。 運動・エクササイズ - , 栄養・食生活, - 安全な居住環境
どうか遠慮せず、ご自身の考えや疑問をしっかり伝えてください。 薬や代替療法について気になることがあれば、担当医に相談することが大切です。 医師は、あなたのニーズや生活状況に合わせて、最適な治療法を一緒に考えてくれるはずです。 納得のいく選択をするためにも、積極的に質問し、対話を重ねていきましょう。