丈夫な骨作りのための運動・エクササイズの基本知識
運動をスタートするときは軽い負荷から始めゆっくりと行う
骨や筋肉、心臓、肺など、運動に関わる体の組織は、少しずつ負荷に慣れていく力を持っています。 この体の変化は、以前できていたことをもう一度目指すときに、前向きなヒントになります。
かつて日常的に体を動かしていた頃には、良い挑戦だった活動も、長い間高い負荷を必要としなかった身体にとっては、今では困難に感じたり、けがの原因になることがあります。 そのため、どの年齢でもまずは難易度の低いレベルから始め、少しずつ新しい挑戦を加えていくことが大切です。 繰り返しの動作によって身体の動きは効率的になり、初期の段階では筋力の向上を比較的早く感じることができます。 しかし、真の筋力向上には、適度な負荷をかけた反復トレーニングが欠かせません。 興味深いことに、"適度な負荷" と感じるレベルは、身体がその要求に適応するにつれて、時間とともに変化していきます。 この変化こそが、継続的な成長と回復の鍵となるのです。
筋力と機能を向上させるための "ちょうどよい負荷" とは?
筋力を高めるために最適な負荷レベルは存在します。技術的には、筋肉に最大能力の約60%の負荷をかけることで、効果的な筋力向上が期待できます。
では、実際にどうすればよいのでしょうか?
まずは、1つの運動を20回繰り返すことを目安に始めてみましょう。たとえば、肘を曲げるだけのシンプルな動作でも、20回行っても疲れず、動きを小さくしたり変えたりする必要がない場合、その運動は筋肉を鍛えるには負荷が軽すぎる可能性があります。
反対に、20回のうち後半で筋肉に疲労を感じたり、動作の質が落ちてくるようであれば、適度な負荷がかかっているサインです。こうした感覚を目安に、少しずつ負荷を調整していくことが、安全かつ効果的な筋力アップにつながります。
このページを読んでいる間に、肘を20回ゆっくり曲げてみましょう。 そして、次のような点に注目して負荷を調節してみてもよいでしょう。
- 肘の曲げ伸ばしを20回行う間に、腕の動きを完全に止めたり弱めたり、あるいは腕の位置を変えたりする必要があったかどうか
- 肘の上の腕の前側が熱くなるような感じがして、動作を中止する必要があったかどうか
上記のいずれにも該当しない場合、重力に対する前腕の負荷が小さすぎるため、上腕の筋肉を十分に鍛えることはできません。 筋力を向上させるには、筋肉に "適度な負荷" がかかっていることが重要です。負荷が軽すぎると、筋肉は刺激を受けず、成長につながりにくくなります。
筋力を高めるために必要な "最大能力の60%" とは、筋肉に適度な負荷がかかっている状態を指します。具体的には、以下のような状態が目安になります。
- 運動中に筋肉の焼けるような疲労感を感じる
- 15回目の反復までに、動作を完全に行うことが難しくなる
「15回未満が良いなら、もっと回数を減らしたほうがいいのでは?」と思うかもしれません。 確かに、15回未満で筋肉が疲労するような負荷をかけることで、各エクササイズでより多くの筋力を活用することができます。
しかし、ここで大切なのはゆっくり丁寧に動作を行うことです。 たとえば、食料品でいっぱいの袋を持って腕を曲げるような動作では、筋肉は早く疲労しますが、激しい筋肉痛を引き起こす可能性もあります。
さらに重要なポイントとして、負荷が高すぎると身体の位置や動作の制御が難しくなり、フォームが崩れてしまうことがあります。 その結果、思わぬケガにつながることもあるため、負荷を上げる際は慎重に行いましょう。
足の筋力を高めるために有効な運動として椅子を使った起立運動があります。ただし、15回の反復は負担が大きすぎる場合もあります。その際は、完全に座る前に再び立ち上がる "部分スクワット" を15回行うことで、負荷を軽減しつつ筋肉をしっかり鍛えることができます。 この方法なら、動作のコントロールを保ちやすく、ケガのリスクも減らせます。
筋力が向上してきたら、次のステップとして:
- より深くしゃがむことで負荷を増やす
- 手に軽いおもり(ペットボトルなど)を持って行うことで強度を高める